あるものを活かす


この言葉は『斎藤一人の百戦百勝』(東洋経済新報社刊)に出てきた言葉です。
斎藤一人(ひとり)さんとは「スリムドカン」などのヒット商品でおなじみの「銀座まるかん」の創設者。
著者は「銀座まるかん」の販売代理店、株式会社78パーセント社長の小俣貫太(おまた・かんた)さん。


小俣さんは一人さんにこう教わったと言います。

「立地が悪くてお客が来ない」と言う人がよくいる。
そんな人が表通りに出て行くと、今度は「競争相手が多くて」と言い出すんだよ。
こんなことを言ってちゃ、どこにも商売できるところがなくなっちゃうよ。
言い訳を探すのに頭を使っているから、悪いところばかり見える。だから、儲からない。


そうじゃなくて、こう考えるの。
人通りの少ないところなら、競争相手が少ない。
競争相手の多いところなら、人がたくさん来てくれる。
こんなふうに、その場所のいいところを見つけて頑張るんだよ。
あるものを活かすのが、商人の頭の使いどころなの。


商人だったら、立地の悪さを味方に付けなければいけない。
お客さんを集めるときにも、
「ちょっと離れた所にありますけれども、頑張っていますから、よろしくお願いします」とか、
来てくれたお客さんには、
「こんな遠いところまで足を運んでくれて、ありがとうございます」と、
お茶の一杯も出してごらん。
普通だったらお茶なんか出さない本屋みたいな商売なら、それだけでもお客さんは感激してくれるよ。
これはその立地でしかできないことなんだよ。
あるものは活かすの。言い訳にしてちゃいけないの。


「あるものを活かす」
一見、悪そうに見える条件に直面したときに、この言葉を思い出してください。
そうすれば、それを味方につけるような知恵がきっと見つかります。
不平、不満を言っても誰も幸せにならないし、問題の解決にもならないですよね。


この本は月刊トークス2003年4月号でご紹介しました。

 http://www.talksnet.jp/backnumber_2003.html#200304