固有名詞でビジネスを展開する


この言葉は『価格の決定権を持つ経営』(日本経営合理化協会刊)に出てきた言葉です。
著者は企業と商品の「価値づくり」を情熱的に指導するコンサルタント、酒井光雄(さかい・みつお)さん。

著者の酒井さんは本書の中で次のように書いています。


「パソコン」「Tシャツ」「ジーンズ」「スーツ」・・・
通名詞でビジネスを展開してきた企業は低価格競争に巻き込まれて収益が出なくなっている。
一方、「VAIO」「インテル」「リーバイス」「ジョルジオ・アルマーニ」・・・
固有名詞でビジネスを展開し、価格ではなく、価値を売り、支持を受けている商品や企業もある。


「普通名詞で事業などしていない、すべてにオリジナルの名前ぐらいつけている」
と言う人もいるだろう。
しかし、その多くは一般的なことばの組み合わせに過ぎないものが多い。
実際、顧客や取引先に聞いてみると、その認知度の低さに驚くだろう。


大企業は広告宣伝費を使っているから認知されている、有名になったから知られている、
そう思うかもしれない。しかし果たしてそうだろうか?

違いは戦略にある。
優秀な経営者は、創業期から社名はもちろん、自社の商品・サービスにも、
パッケージにも、ロゴマークにも看板にも、会社案内にも、意図して個性づけを行っている。
そして、それを一貫させることに力を注いでいる。
通名詞で呼ばれることを嫌い、固有名詞でビジネスを展開する。
「インターネット対応携帯電話」ではなく「iモード」、
「文具通販」ではなく、「アスクル」、
「コーヒーショップ」ではなく「スターバックス」・・・
優れた経営者は固有名詞そのものの認知を高める工夫をし努力をしているのだ。



いかがでしょうか?
あなたの会社は固有名詞でビジネスを展開しているでしょうか?

この本は月刊トークス2003年3月号でご紹介しました。

 http://www.talksnet.jp/backnumber_2003.html#200303