「患者様の声ポスト」と「患者様の声シート」


この言葉は『いのち輝くホスピタリティ』(文屋刊)に出てきた言葉です。
著者は1998年、医療機関として初めての通産大臣賞はじめ多くの賞を受賞されている
埼玉県の川越胃腸病院院長の望月智行(もちづき・ともゆき)さん。
望月さんは次のように書いています。


「小さくても信頼度ナンバーワンの病院を目指そう」という取り組みの中で、
大きな転機となったのが、1987年に開始した「患者様満足度調査」と、
1992年に設置した「医療サービス対応事務局」でした。
患者様満足度調査は、外来と入院の患者様を対象に毎年一回行っています。
一方、「患者様満足の追求」のためには、サービス窓口を一本化する必要がありました。
そのために設置したのが医療サービス対応事務局です。


多くの病院に、「患者様の声ポスト」といったものが設置されていると思います。
しかしこれは、いわば「待ちの姿勢」の取り組みです。
患者様は、よほどの強い意志がない限り、用紙に書き、ポストへ投じるまではなかなかなさらないものです。
そこで、小さな声までもしっかりキャッチするためにつくったのが「患者様の声シート」です。
患者様の口から漏れたひとことを、そこに居合わせた職員がすぐに書き込みます。
そして、その日のうちに医療サービス対応事務局へ届けてくれるようになりました。
患者様が具体的にどのような不満や希望をお持ちなのかを知るために、
これは欠かせないツールとなっています。
事実、当院での患者様のご意見として、この方法で収集される情報量が圧倒的に多いのです。


多くの飲食店やサービス施設でも「お客様の声ポスト」を見かけますね。
私は今までほとんど利用したことがありません。
あなたはいかがですか?
この本は月刊トークス2008年12月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2008.html#200812