「線の思考」と「面の思考」


この言葉は『線と面の思考術』(大和書房刊)に出てきた言葉です。
著者は内閣府「未来生活懇談会」他、政府の委員を数多く務める、広告会社勤務の袖川芳之(そでかわ・よしゆき)さん。
袖川さんは次のように書いています。


簡単に言うと、「線の思考」は、時間と共に順番に現れてくるものを認識する能力です。
一方、「面の思考」は、時間を必要とせず、一瞬にして把握する能力です。
もう少し一般的な言い方をすると、
「線の思考」とは論理的な思考で、客観性があり、他人と容易に共有できる思考の原理です。
一方の「面の思考」とは感性的な思考で、主観的で個別性の高い思考の原理です。


誰の頭の中にも「線の思考」の自分と「面の思考」の自分が同居しています。
それぞれが自分の立場を強く主張する時、私たちは悩みます。
「線の思考」の自分は「二度あることは三度ある」と脅します。
「面の思考」の自分は「三度目の正直」と言って進むことを促します。
「線の思考」の自分は「鉄は熱いうちに打て」と急きたてます。
「面の思考」の自分は「急いては事をし損じる」と言って引き止めようとします。
でも、こんなでこぼこコンビがいるから、私たちは自分の中で意見を戦わせながら考えを深めることができるのです。



「線の思考」と「面の思考」
あなたはどちらの思考が強いですか?
この本は月刊トークス2008年11月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2008.html#200811