オープン・イノベーション


この言葉は『未来学』(WAVE出版刊)に出てきた言葉です。
著者は未来戦略研究所、フューチャーストラテジストの根本昌彦(ねもと・まさひこ)さん。
根本さんは次のように書いています。


商品開発に関しては、今まで自分たちの枠組みの中で物を作っていこうという考え方が支配的でした。
しかし、業界という枠にとどまっている限り、せっかくの技術も、研究成果も、宝の持ち腐れとなってしまいます。
業界というのは、現在のわれわれの生き方に基づき分類されています。
新しい社会では、新しい軸でものを考えるのが当然です。
社会がどのように変動するのかを見据え、商品開発がなされるべきなのです。


最近アメリカでは、オープン・イノベーションという手法が活用され始めています。
ウェブをベースに外部の技術者や事業企画者のアイデアを集め、イノベーションを図るというものです。
IBMやP&Gなどの企業では、既にこうしたビジネスモデルに転換し始めているといいます。
業界という枠組みを打ち破る方法論の一つです。


業界そのものがなくなる可能性のある時代、経営判断の上でも社会の方向性は重大です。
業界でナンバーワンになろうとしても、業界そのものがなくなってしまったのでは元も子もありません。
自分が属す業界だけではなく、社会全体を眺めれば、環境問題・少子高齢化問題・中国問題など、さまざまな問題があります。
裏を返せば、チャンスに転じる可能性もそれだけあるということです。




商品開発だけでなく、自分の会社だけ、自分の業界だけを見ていると、どうしても視野狭窄になってしまいますね。
あなたは他の業界や社会全体を眺め、未来を予測し、その予測に対応し行動しようとしていますか?
私は残念ながらまだまだです。だから学び続ける必要があると思うのです。
この本は月刊トークス2008年4月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2008.html#200804