売れるスピードより速くつくらない


この言葉は『トヨタの口ぐせ』(中経出版刊)に出てきた言葉です。
この本の編著者はトヨタ自動車リクルートグループ共同出資のコンサルティング会社、
株式会社OJTソリューションズです。


この本は、トヨタ勤続40年以上の元現場リーダーたちを中心に取材し、
トヨタで口ぐせのように語りつがれている言葉」をまとめたものです。
この本に登場する元トヨタマンたちは、現在はOJTソリューションズでトレーナーとして活動しています。
トヨタで培った考え方やノウハウを、製造業を中心とした多くの会社に導入し、
業績アップや人づくりを支援するコンサルティングを行っています。


トヨタの口ぐせ「売れるスピードより速くつくらない」
山本政治はさまざまな会社の指導を行っていくうちに、
「つくってなんぼの生産性」に陥っているところが多いことに気づきました。
山本はこういいます。
「たとえば、数千万円を投じて最新の機械を入れたとします。
 すると、『せっかく高い機械を導入したのだから、とにかく設備を動かして、どんどんつくっておこう』と
 考えてしまうのです」


しかし、これは間違った生産性の評価です。
いくら生産性が上がっても、販売に結びつかないものをつくってはいけません。
「基本的には『売れるスピードより速くつくらない』。だから
 『売れる量より多くつくらない』『売れる量より多く材料を買わない』ということになります」


売れるスピードとは、後工程のお客様が求めているスピードです。
それに生産のすべてを合わせることです。
売れるスピードよりも速くつくらないこと。
それを守ることができれば、在庫の山に苦しむこともなくなります。



これはどこの会社も気をつけなければいけないことですね。
たくさん買えばスケールメリットで単価が安くなる、と購買担当者は言いがちです。
しかし、長期間使われなかったり、あるいは全部使い切れなかったとしたら
かえって単価が高くなってしまいます。また、資金繰り的にもまずいことになりますね。
あなたの会社はいかがでしょうか?
この本は月刊トークス2006年12月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2006.html#200612