坐禅によって体の状態が変わり、心の状態が変わる

この言葉は『幸福な生き方』(日本経営合理化協会刊)に出てきた言葉です。
著者は道元禅師の思想を勉強する会「ドーゲンサンガ」創立者、西嶋和夫老師です。
西嶋老師は次のように書いています。


日常生活において簡単に自分の体を調整できる方法が坐禅です。
試しに、気分が落ち込んで、何もする気がおきないという日に、騙されたと思って坐禅をやってみてください。
足を組み、手を組み、背骨を伸ばしてじっと坐っていると、
「さっきあんなに落ち込んでいたのは、どうしてだろう」と、
不思議になるくらいに気分が変わります。
それと同時に、私たちの住んでいる世界の様子が一変します。


なぜ坐禅によって心の状態が変わるかというと、それは体の状態変わるからです。
足を組み、手を組み、腰骨を伸ばすことにより、私たちの身体全体の骨格が正しい状態に置かれます。
そして身体全体の筋肉も正しい状態に置かれます。
そうすると、神経が正しい状態に置かれ、自律神経もバランスした状態となり、ホルモンの分泌も正常となります。
これが人間の本来の状態といえます。


仏教では「身心一如」といって、人間の身体と精神とは、一つのものの裏と表であって、
別々に存在するわけではないとされています。
したがって、坐禅によって正しい身体の状態というものが実現できれば、必ず正しい心の状態をもたらすのです。
このときが私たち人間の一番幸せを感じるときなのです。


私はこの本を読んでから毎朝ストレッチの後、坐禅をしています。
この本は月刊トークス2011年3月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2011.html#201103