松下幸之助さんは本当に運が強いのでしょうか


この言葉は『運の出し入れで勝負が決まる』(サンマーク出版刊)に出てきた言葉です。
著者は主に勝負師を扱った作品を書いている劇作家・演出家のさいふうめいさん。
さいふうめいさんは次のように書いています。


日本の経営者で最も運について語った人は松下幸之助さんです。
松下さんは他人からも「運が強い」といわれ、自身もそう語っていました。
しかし、松下さんは本当に「運が強い」のでしょうか。
松下さんが育った家庭は次のようなものです。
父親が相場に手を出して失敗、全財産を失う。
九つのとき、小学校を中退して、大阪の火鉢屋に奉公に出される。
十人の家族は離散。兄姉は結核で全員が亡くなる。
松下さんも二十歳のときに肺尖カタルで病床に伏す。
松下さんの青春期までの人生は「不運」の連続といえるでしょう。
ところが松下さんは自分を「運が強かった」と言います。


「わしは学校にはほとんど行っていなかったからよかった。運が強かった。
 大学に行っていなかったから、判らないことを他人に尋ねることが出来た。
 おかげでたくさんの人からいい知恵を貰い会社を発展させることが出来た。
 体が弱かったからよかった。運が強かった。
 もし、わしが健康ならば、自分でなにもかもやってしまい、
 人も育たなければ、会社も大きくならなかっただろう」


同じことをAさんは「運がよかった」と感じ、Bさんは「運が悪かった」と感じます。
自分を「運が弱い」と思っている人より、「運が強い」と思っている人に、
幸運の女神は微笑みたくなると私は思うのです。


あなたは「運が強い」と思っていますか?
この本は月刊トークス2002年2月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2002.html#200202