チェックリストを埋めるのではなく、深掘りする


この言葉は『新規事業がうまくいかない理由』(東洋経済新報社刊)に出てきた言葉です。
著者は自分で何十社も会社を立ち上げてきた経験を持つ、新規事業立ち上げのプロ、
フロイデ会長の坂本桂一(さかもと・けいいち)さん。
坂本さんは次のように書いています。


すぐに結果が出ないとか、予定どおりにいかないというのは、
新規ビジネスの立ち上げ時には至極当然のことです。
だから、そこで落ち込んで立ち止まるのではなく、とにかく前に進むのです。
やることはまだまだいくらでも残っています。


焼鳥屋を例に挙げましょう。
「味は研究したか」「壁にメニューを貼ったか」「近隣にチラシを配ったか」…
そういうチェックリストを100項目作って、済んだものから消していったら、もう一つも残っていない。


しかし、なんとかこの焼鳥屋を繁盛させたいと本気で思うなら、やるべきことはいくらでもあります。
ただし、それはチェックリストをもう100項目増やすことではありません。
その100項目の中身を、現場を見ながら最低10回は見直すということです。


壁にメニューを貼ったら、どの位置ならお客さんから見やすいか。
もっと大きくしたらどうか。
パソコンで打ち出した文字ではなく手書きのほうがいいんじゃないかなど、
これがベストというものが見つかるまで、ありとあらゆることを試してみる。
味だって、産地の異なる塩を試してみるとか、たれのレシピを微妙に変えてみるとか、
いくらでも研究の余地はあるじゃないですか。
チェックリストを埋めるのではなく、それぞれの内容を毎日、深掘りしてください。
それが、新規事業成功のための正しい行為なのです。



新規事業だけでなく既存事業の見直しにも役立つ考え方ですよね。
あなたはチェックリストを深掘りしていますか?
この本は月刊トークス2008年11月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2008.html#200811