解答のない質問で解答者の「考える力」を試す


この言葉は『地頭力(じあたまりょく)を鍛える』(東洋経済新報社刊)に出てきた言葉です。
著者はザカティーコンサルティング、ディレクターの細谷功(ほそや・いさお)さん。
先日、NHK番組の「クローズアップ現代」でも報道されましたが、
最近、地頭力という言葉をよく聞いたり、目にしたりしますね。
地頭力を鍛えるのによいツールがフェルミ推定だそうです。
細谷さんは次のように書いています。


把握することが難しく、ある意味荒唐無稽とも思える数量について
何らかの推定ロジックによって短時間で概数を求める方法をフェルミ推定といいます。
原子力の父」として知られるノーベル賞物理学者エンリコ・フェルミの名前を取って
フェルミ推定と呼ばれます。
フェルミは教育者としても優れ、彼の弟子の中から多くのノーベル賞受賞者が出ました。
フェルミ自身が教鞭をとったシカゴ大学で学生に出したことで知られるのが
「シカゴにピアノ調律師は何人いるか?」という質問です。
これはフェルミ推定の「古典」として有名です。


フェルミ推定が面接試験等で用いられてきた理由の一つは「正解がない」
(あるいはあったとしても出題者自身も知らない)ことで、
解答者には純粋に考える「プロセス」が問われるためです。
正解のある質問では、
解答者が単に正解を「知っていた」のか、その場で「考えた」のかを区別する方法はありません。
しかし解答のない質問であれば、より明確に解答者の「考える力」を試すことができるのです。


フェルミ推定コンサルティング会社等の面接試験で出題されることもあるそうです。
あなたの会社ではいかがですか?
この本は月刊トークス2008年3月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2008.html#200803