周りと同じ言葉を使わない


この言葉は『ペンだけで30日後に行列をつくるすごい裏ワザ』
インデックス・コミュニケーションズ刊)に出てきた言葉です。
著者は中小規模飲食店の集客を支援する株式会社満席エージェント社長の山岸二郎(やまぎし・じろう)さん。
山岸さんは次のように書いています。


商品自体をいじらなくても、売上げは上げられます。
商品自体をいじらなくても、人を集めることは可能です。
古いものでも、新しい切り口を見つければ行列をつくることが可能です。
そのためには、周りと同じ言葉を使っていてはいけません。
皆と同じ言葉を使っていては、激烈な発想の転換はとうていできません。


私は、銀座で小さなバーを経営していました。
私の店の周囲には、有名バーや老舗バーが軒を連ねていました。
脱サラの私には、明らかに不利な状況です。
そこで、「男性中心のバー」の男性の部分を女性に変え、「女性中心のバー」にしたのです。
OLたちの「仕事とプライベートのスイッチの切り替えの場」というコンセプトを打ち出して、
女性が単独でも気軽に立ち寄れる店にしました。
さらにそのコンセプトを力強いものにするため、男性だけの入店をお断りにしたのです。


まだ女性専用車両が登場する前の話で、「女性のみ」の発想なんて皆無に近い時代です。
しかし、私の考え方は正しかったのです。
「女性の活力充電の場」として、新聞や女性誌、テレビ等で取り上げられ、
「女性のおひとりさま」ブームの火付け役的な存在になりました。
そして、来店者数は3倍に増え、売上げも3倍になったのです。


商品や価格、内装は、まったくいじっていません。
変えたのは、言葉だけです。
周囲の店が使っている言葉を捨て、使う言葉を変えた瞬間に、発想を激烈に変化させることができたのです。



一般人のありふれた言葉を使っているとダメなんですね。
この本は月刊トークス2007年12月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2007.html#200712