ビジネスのヒントは、いたるところに転がっている


この言葉は『“豆富一丁”をどう売る?』(かんき出版刊)に出てきた言葉です。
著者は豆腐業界ではじめて株式を上場した篠崎屋社長の樽見茂(たるみ・しげる)さん。
篠崎屋さんでは「とうふ」を豆の富と書いておられます。
樽見さんは次のように書いています。


「これは使えそうだ」というビジネスのヒントは、いたるところに転がっています。
たとえば、篠崎屋のM&A戦略は、IT系の戦略をとっています。
当社が酒屋さんを中心にフランチャイズチェーン展開している直売所は、現在およそ500店舗近くあります。
そこでは冷蔵ケースを1本置き、豆富だけではなくいくつかの関連商品を置いています。
これはヤフーのポータルサイトが参考になりました。


ヤフーのポータルサイトを覗いてみると、クレジットやファッションもあればショッピングもある、
天気も見られるし、オークションも旅行もあります。
コンテンツを増やしたからこそ、そこにお客さんがたくさん集まってきました。
「茂蔵」という当社が展開している直売所も同じなのです。
豆富と酒だけだったら、そのお客さんしか来ないでしょう。
ならば、そこにもっと違うコンテンツを入れていけば、
それを欲しがるさまざまなお客さんが来てくれるはずです。


私が、M&A戦略を掲げた理由は、じつはそこにあります。
豆富で成功した事例があるのですから、違うコンテンツを同じポータルサイトで直接売っていけば、
成功するに決まっているというのが、私の考え方です。
したがって、乾麺や惣菜、煮豆など、さまざまな業種をM&Aで買ってきました。
つまり、豆富の工場直売所から食品の工場直売所にと、どんどん大きくしていくのが、今後の重要な戦略です。
そのためにM&A戦略が必要なのです。



「ビジネスのヒントは、いたるところに転がっている」
この視点が大切なんですね。
この本は月刊トークス2006年9月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2006.html#200609