近年、コンプライアンス(法令遵守)という言葉を盛んに目にするようになりました。

いったいなぜ急に、コンプライアンスという言葉が目立つようになったのでしょうか。

この理由を高名な弁護士の高井伸夫(たかい・のぶお)さんが著書『3分間社長塾』(かんき出版刊)の中で
次のように書いておられます。


ひとつには、心の時代になって消費者が企業に良心を求めるようになったことが考えられます。
法律スレスレでも、とにかく利益を追求すればいい。
そんな姿勢を見抜かれると、最近の消費者はたちまち離れていきます。


企業で働く社員の意識の変化も重要です。
社会に対して正々堂々と働きたい、公明正大でありたいという気持ちが強くなりました。
その結果、数々の内部告発によって打撃を受ける企業が増えたこともその理由の一つです。


日本企業が海外に進出し、外資系企業も日本にどんどん参入してきています。
その結果、国内でも海外でも、日本企業は海外の企業との競争を強いられるようになりました。
海外の企業は、フェアであることを強く求めます。
競争を奨励しますが、同時に競争の前提となるルールの遵守も重視します。
それが海外の企業文化であり、日本の事なかれ主義は通用しません。
彼らと同じ土俵で戦う以上、日本企業も否応なくコンプライアンスを意識せざるをえない状況になったのです。


それにしても、いろいろな不祥事がよく明るみにでますね。
他人事だと思わずに、自分たちにも問題がないか自問自答したいものです。
この本は月刊トークス2005年3月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2005.html#200503