中国・アジアより良いモノを安く速く作るためには

社長は絶えず会社の体質改善をやり続けなければなりません。
体質改善のめざすべき最終目標は、
人、モノ、情報が停滞せずに速く流れる「一気通貫」経営です。


この言葉は『最強のモノづくり』(日本経営合理化協会刊)に出てくる言葉です。
著者は改善コンサルタンツ株式会社社長、御沓佳美(みくつ・よしみ)さんと
同社常務取締役、柿内幸夫(かきうち・ゆきお)さんのお二人です。


著者のお二人は本書の中で次のように書いておられます。


一気通貫」とは、営業現場、設計現場、工場現場、販売現場など、
それぞれの部門の間に別のものを介在させることなく、
それぞれをダイレクトに直結させる仕組みのことです。
かつ、それぞれがバラバラの部分最適ではなく、全体最適で動く仕組みのことです。
ただし、今の全体最適は、あくまでも今の時点の最適であって、
決して不変的なものではありません。
お客様の要望は常に変化するため、
今日の全体最適は、明日の全体不適になる場合があるということです。


例えば、ある半導体メーカーでは、
営業が注文をとってくれば、いきなり工場のラインサイドに生産指示が出ます。
その間には、まったく何も介在しません。
注文が入れば、すぐに造ってラインの最後の現場の人間が包装して、
宅配便のラベルを貼って発送地別のカーゴに載せます。
物流係なんていません。
同じものを大量に造って、出来上がったものをいったん倉庫に入れて、
それからこのお客様は50個、あちらは80個と
取り分けて包装して出荷するなんて無駄なことはやりません。
出荷業務という作業は行いますが、部門の作業としては発生させません。
現場の人間がすべてやる仕組みです。


このようにすれば、在庫も発生しませんね。
著者のお二人は「一歩でも受注生産に近づける努力をすることが大事」と強調されています。
在庫を持たないことが難しい業界であれば、
「すべてを完成品在庫で持つのではなく、なるべく多くの在庫を原材料に近いところで持つこと」だと、
おっしゃっています。


あなたの会社はいかがですか?


この本はこの本は月刊トークス2002年2月号でご紹介しました。

 http://www.talksnet.jp/backnumber_2002.html#200202