社員もお客も「来てくれないもの」


この言葉は『すべてを守ればすべてを失う』(プレジデント社刊)に出てきた言葉です。
著者はタナベ経営会長の田辺昇一(たなべ・しょういち)さん。


半世紀のコンサルタント経験をお持ちの田辺さんは次のように書いています。


事業を支えてくれるのは社員とお客です。
経営者が、社員とお客についての考え方をはっきりと持っていないと、会社の成長はありえません。
なぜなら社員もお客も「来てくれないもの」だからです。
その社員とお客に「来てもらう」ために、経営者は創意工夫を働かせるのです。


では、どういう創意工夫をすればよいのでしょうか?
田辺さんは次のように書いています。


社員に対しては、経営の許す限り刺激を与え続けます。
この刺激には、経済的なものも含まれますし、
社員のやる気を引き出すためにさまざまな手だてを講じることも含まれます。


また、お客に来てもらうためには、誠心誠意、お客のことを考えます。
お客は何を求めているのか、どうすれば喜んでくれるのか、真剣に分析するのです。
いつの時代も会社はお客のために存在するのであり、
お客が必要としない会社は潰れるしかありません。


社員もお客も来てくれないもの。
来てもらうためにどうするか。
常に考え続けなければならないことですね。


この本は月刊トークス2001年12月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2001.html#200112