リニアを10センチ浮かすと決めた。

 なぜ10センチかと言えば、分かりやすいからです。


 これは『10センチの思考法』(すばる舎刊)に出てきた言葉です。
 この本の著者はリニアモーターカーの生みの親、
 京谷好泰(きょうたに・よしひろ)さんです。


 仕事でもプライベートでもコミュニケーションは本当に難しいですよね。
 とくに自分では伝えているつもりが、伝わっていないことが往々にして
 ありませんか?
 残念ながら、私はよく経験します。(汗)


 リニアモーターカーの「東京−大阪 1時間」
 時速にすると500キロ。
 すべて覚えやすい数字です。
 京谷さんは、
 覚えやすい数字にすれば人は理解しやすくなる。
 理解できれば、人は目的や目標を達成しようと努力する、
 と言います。


 当初はほとんどの人たちに、
 「大勢の人間を乗せたあんな重いものを10センチも浮かすなんて、
 あいつは正気か?」と思われたそうです。


 リニアモーターカーのような大きなプロジェクトには
 たくさんの人の理解と協力を得ることが必要です。
 だから目標を表す言葉や数字は、
 できるだけ簡潔で覚えやすい方がいいのです。


 伝わりやすい表現を心がける。
 大事なことですよね。
 でも残念ながら、なかなかできません。
 だから私は本をたくさん読んでハッとして、訂正・修正をしています。


 『10センチの思考法』はCD化第3号の2001年3月号で
 ご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2001.html#200103