「異業種の視点でうちの会社を見て欲しい」


 これは『会社は「黒字」であたりまえ』(プレジデント社刊)に出てきた
 キーワードです。
 この本の著者はタナベ経営取締役の中村広孝さんです。


 中村さんはコンサルタントという仕事柄、多くの経営者と話をすることが
 あります。


 黒字会社のトップは「異業種の視点で、うちの会社を見てほしい」と
 言うそうです。別の角度からアドバイスしてほしい、と言うのです。


 ところが負け組の経営者はまるで反対で、彼らから最初に出る言葉は
 「業界のことを知っているか」という言葉だそうです。
 業界の常識でやっているから赤字になっているのに、
 その事実に目を向けようとしません。
 異なったジャンルの人間の声に耳を傾ける器量がありません。


 どうしても人間、慣れているものに安住しようとしますよね。
 しかし、同じ視点でいつも見ていると、情勢が悪くなったとき、
 タコツボにはまったような感じがしませんか?


 そんなとき、私は物理的に視点を変えるようにしています。
 例えばどこかに出かける時には、往路、復路で違うルートを取る。
 まったく新しいところへ出かける。
 当たり前のことですが、違う道を通ると、違う風景が現れます。
 そうすると、いままで考えていなかったアイデアが出ることがあります。


 月刊トークスで4冊選ぶときも、できる限り、いろんな分野の方の本を
 選ぼうとしています。
 これは努力してそうしているのではありません。
 楽しんでやっています。
 「へ〜、そんな考え方もあるんだ」なんて思いながら本を読むのは
 実際、楽しいですよ。


 『会社は「黒字」であたりまえ』はCD化第1号の2001年1月号で
 ご紹介しました。 http://www.talksnet.jp/backnumber_2001.html#200101


 異なったジャンルの人間の声に耳を傾ける。
 大切なことですね。