「特殊だ」と考えた瞬間に思考は停止する

この言葉は『アナロジー思考』(東洋経済新報社)に出てきた言葉です。
著者は地頭力という言葉を広めた、経営コンサルタント細谷功さん。
細谷さんは次のように書いています。



新しいアイデアは「借りてきて組み合わせる」ことで生まれるというのがこの本のベースにあります。
既存のアイデアを借りてくるときに用いられるのがアナロジー思考です。


アナロジー思考では、何らかの形で似ている世界を探し出します。
この「似ている」には、大きくわけて、「表面的類似」と「構造的類似」の2種類があります。
「表面的類似」とは、「属性レベル」の類似です。
わかりやすい例でいえば、「見た目が似ている」というのが属性レベルの類似の代表例です。
「構造的類似」とは、関係や構造という抽象的なものを扱う「上位概念」の類似です。
アナロジーに必要なのはこの「構造的類似」という考え方です。


アナロジー思考最大の「べからず」は、個別事象を必要以上に「特殊だ」と考えてしまうことです。
「これは特殊なケースだ」「自分の場合は特別だ」と考えた瞬間に思考は停止します。
とかく人は自分を特別視しがちですが、第三者から客観的に見れば
「他のケースと同じだ」と思えてしまうことの方が多いのです。
まずは共通点の方に目を向けることが重要です。
共通点が直接なければ抽象化したレベルでの共通点を見つけることです。


「特別だ」と考えずに、まずは共通点の方に目を向ける
あなたはいかがですか?
この本は月刊トークス2011年10月号でご紹介しました。
http://www.talksnet.jp/new_books.html
この本をアマゾンで購入する
 http://www.talksnet.jp/201110_1.html