革命が起きると主役は交代する


この言葉は『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社刊)に出てきた言葉です。
著者は同志社大学政策学部教授の太田肇さん。
太田さんは次のように書いています。


工業社会からポスト工業社会に移行し、能力革命とモチベーション革命が起きました。

工業社会で重視された能力は、従順さ、粘り強さ、勤勉さ、協調性といった資質や態度です。
だから企業は優等生を採用しました。
一方、ポスト工業社会で重視されるようになったのは、「不良」たちが得意とする独創性や創造性、感性など、
工業社会では秩序や均質性を乱すものとして排除された個性です。


また、「優等生」たちの持続的で安定的なモチベーション、
周囲の環境や要求に応えて発揮できるモチベーションは、
工業社会に適したモチベーションでした。
しかしポスト工業社会に必要な能力や資質を発揮させるには、
本人の内側からわき出るようなモチベーションが必要です。
「不良」たちは、ヤンキー系にしてもオタク系にしても、好きなこと、意気に感じた場合には
並はずれたモチベーションを発揮します。


能力革命、モチベーション革命を経て、仕事に求められる能力やモチベーションの質が大きく変化しました。
革命が起きると主役は交代するのが普通です。
仕事の主役は、受験秀才型の「優等生」から元「不良」を含めた新しいタイプの人材へ移ろうとしています。
そこで、優秀な元「不良」を抱える組織では、思い切って組織のなかの上下関係を逆転させてみたらどうでしょうか。
元「不良」のなかから生まれた型破りな人材をリーダーに据え、
与えられた仕事をそつなくこなす「優等生」たちをサポーターにするのです。



あなたは「優等生」?それとも元「不良」?
この本は月刊トークス2010年12月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2010.html#201012