数字でシミュレーションをする


この言葉は『文系ビジネスマンでもわかる数字力の教科書』(大和書房刊)に出てきた言葉です。
著者は経営コンサルタントの久保憂希也さん。
久保さんは次のように書いています。


クライアント企業への提案書やプレゼン資料で、私がいつも気をつけていることがあります。
それは、「数字でシミュレーションをする」ということです。
たとえば、コスト削減につながるサービスを提案することを想定してみましょう。


「サービスAを使うと、コスト削減になります。
 担当者が事務作業に費やす時間が1日45分から15分に減ったというデータが出ています」
ここまでなら普通。ポイントはその先です。
いくらのコスト削減になるのか、最後までシミュレーションしてしまうのです。


「1日あたり5000円、年間130万円のコストダウンになります
 (事務担当者の時給2000円、5名、年間労働日数260日とした場合)」
提案先の企業における事務担当者の時給や人数、年間労働日数などはわかりませんので適当な数字です。


提案を受けた側は、シミュレーションの数字を見て
「うちは事務担当者は3名だからもうちょっと少なくなるな」とか
「うちの時給はもっと高いから、150万円程度かな」とか、
その場である程度計算できます。基準があるからです。


何も数字がない状態だと、サービスAが高いのか安いのかよくわかりません。
「たいして効果がない気がする」「なんとなく高い気がする」と思っている人が相手だと、検討すらしてもらえないでしょう。
だから、プレゼン資料の段階でシミュレーションをしておくのです。
そうすれば、最初のハードルを越えやすくなります。
シミュレーションには正確な数字を使う必要はありません。
仮の数字でいいのです。
数字があるだけで、相手の頭をスッキリさせることができます。



あなたのプレゼン資料はいかがでしょうか?
この本は月刊トークス2010年11月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2010.html#201011