見たり 聞いたり 試したり


この言葉は『愚直に勝る天才なし!』(講談社刊)に出てきた言葉です。
著者は世界最高の技術力を誇り、取引先は超一流のハイテク企業ばかりという清田製作所社長の清田茂男さん。
清田さんは次のように書いています。


人間一人が、覚えられることには限界があります。
しかし、教わろうとすることには限界がありません。
だから私は、「見たり 聞いたり 試したり」を行動の基本としています。


私は10歳のときに「腕に技術をつけたい」と人生の目標を定め、そこから自転車工場での部品作り、
軍需工場での計器製造、ハーモニカ工場でのプレス工、独立してからはカメラの露出計の針、
ダイヤモンド・レコード針と、ものづくりを学び、やがてプローブと出会うことになります。


私の技術も知恵も知識も、すべてものづくりの現場を通して、
人に聞き、人の動きを見て、それを試すことで学んできました。
ものを作るだけでなく、人としての生き方も、故郷の祖母や、働いていた工場の人たちに教えてもらいました。
私はそれを、ただ愚直に守り、形に表してきたにすぎません。


「見たり 聞いたり 試したり」を繰り返していくと、その蓄積はすごいことになってきます。
一人では決して越えられないような山も越えることもできるようになります。
近道ではないかもしれませんが、たとえ遠回りでも、そこで感じたこと、体験したことは必ず生きてきます。


「見たり 聞いたり 試したり」あなたはいかがですか?
この本は月刊トークス2010年10月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2010.html#201010