次の時代のスケッチを常に描き続ける


この言葉は『未来のスケッチ』(あさ出版刊)に出てきた言葉です。
著者は早稲田大学ビジネススクール教授であり、
欧州系最大の戦略コンサルティング・ファーム、ローランド・ベルガー日本法人会長の遠藤功さん。
遠藤さんは次のように書いています。


旭山動物園は、北海道旭川市にある日本最北の小さな市立動物園ですが、
2006年には来園者数、年間300万人という驚異的な記録を達成しました。
上野動物園と肩を並べる来園者数です。
一時は廃園寸前まで追い込まれた地方の小動物園が見事に復活を果たした背景には、何があったのでしょうか。


旭山動物園の再生を語るうえで欠かせないのが、「一四枚のスケッチ」です。
「一四枚のスケッチ」は、飼育係員たちが理想の動物園像について自分の思いやアイデアを出し合い、イラストにまとめたものです。
現在、来園者に大人気の「もうじゅう館」や「あざらし館」、「ぺんぎん館」、「ほっきょくぐま館」も、
スケッチに描かれた原型を一つ一つ具体化した展示施設です。


2009年までに、「一四枚のスケッチ」のうち実現されたのは八枚。
「一四枚のスケッチ」は、いまも旭山動物園の進化を促す推進エンジンになっています。
しかし時代の変化を見据えるならば、さらに新しい「未来のスケッチ」を描く必要があります。
これは一般企業にもそのまま当てはまります。
次の時代のスケッチを常に描き続ける。
それができる企業だけが、10年後、20年後も存続を許されるのです。


この本は月刊トークス2010年5月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2010.html#201005