メーカーがつぶれる理由は、「品質不良」と「多すぎる在庫」


この言葉は『“KZ法”工場改善』(日本経営合理化協会刊)に出てきた言葉です。
著者は改善コンサルタントの柿内幸夫(かきうち・ゆきお)さんです。
柿内さんは次のように書いています。


全社的に改善するKZ法を実行すると、
あとで直す予定であったらしい不良品が工程内に多数見つかることがよくあります。
ちょっとした手直しで良品になるのだから、あとで直そうと言った軽い善意の気持ちの結果です。
しかし、これは大変危険な兆候であることを社長は感じ取ってください。


まず一番目の危険は、混入の危険です。
いろいろな不良流出のデータを見ると、この混入が必ず上位にあります。
不良品は発生の都度、必ず赤い箱のような目立つ入れ物に入れて隔離することです。


そして、もう一つの危険は、
個人が対処してしまうことによって、会社としての実力が隠れてしまうことです。
このような会社では社長のもとには品質不良が起きていないように伝わります。
しかし、最近の品質不祥事において、
社長が記者会見の場で部下から真実を告げられて当惑するといった場面を多く見ていると、
品質に関する本当の情報を社長がきちんと把握することは何より重要です。
私は指導先の会社でよく言うのですが、
メーカーがつぶれる理由は、コストが下がらないからではありません。
「品質不良」と「多すぎる在庫」の二つでつぶれるのです。



本当に最近は品質不祥事が多いですね。
この本は月刊トークス2008年5月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2008.html#200805