勝利を祝えば、人は傲慢になる


この言葉は『富と成功の秘訣』(日本経営合理化協会刊)に出てきた言葉です。
著者は世界に約5000人いるラビ(ユダヤ人地域社会の指導者)の中で
最も日本通として知られるマーヴィン・トケイヤーさんです。
トケイヤーさんは次のように書いています。


ユダヤ教の祭日は、すべてユダヤ民族が味わってきた苦い敗北や失敗を記念する日です。
勝利を記念する日が一日もありません。
どうしてユダヤ人は、苦難の歴史を今でも祝うのでしょうか。
それは、ユダヤ人が、失敗こそ成功の種を孕んでいると確信してきたからです。
トーラー(聖書)についで重要な古典タルムードは、
「失敗ほど有能な教師はいない。人を成長させてくれる」と教えています。
ただ、同じ失敗を二回繰り返すことは恐れなければなりません。


勝利を祝えば、人は傲慢になります。
どのような人であっても、慢心すると脆くなります。
成功するためには、謙虚で用心深くなければなりません。
失敗したら、そのような機会を与えてくれたことに、天に感謝するゆとりをもちたいものです。
そして、同じ過ちを二度と繰り返さないことを誓うのです。



失敗は人を成長させてくれる、ただし同じ過ちを二度と繰り返さないこと。
随分昔からの金言なんですね。
この本は月刊トークス2008年2月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2008.html#200802