常に垢すりを心がける


この言葉は『椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!』(祥伝社刊)に出てきた言葉です。
著者はキヤノン電子社長の酒巻久(さかまき・ひさし)さん。
酒巻さんは次のように書いています。


何でもそうですが、人は一つのことを長くやっていると、慣れからやがて飽きがきます。
こうなると、しなくてもいい余計なことをするようになります。
だから「慣れが出てきたな」と思ったら、マンネリ化しないようにシステムのムダ(垢)を取り除いてやる必要があります。
そうやって常に垢すりを心がける。
私は、それこそが経営の肝であり、経営者の一番大事な仕事だと思っています。


実際、私がキヤノン電子でやったのは、創業以来半世紀、ぶ厚くこびりついていた垢をゴシゴシとこすり落としただけです。
それだけのことで、みるみるムダがなくなり、生産性が向上しました。
利益率は1999年の1.5%から2004年の12.8%へと実に8.5倍以上も伸びました。
50年分の垢すりをしたら、会社の利益体質が劇的に改善したのです。


垢すりを適宜行うには、自分たちの閉じた世界の常識だけで物事を考え、判断するのをやめることです。
一番いいのは異業種の常識を鏡にしてわが身を映して見ることです。
ベンチマークは同じ業種でやってもダメです。
異業種の優れた会社とやらないと意味がないのです。



異業種の優れた会社に学ぶ。
大事なことなんですね〜。
あなたの会社はいかがですか?
この本は月刊トークス2005年11月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2005.html#200511