始める力をつける(6)始めるうえで必要なもの


始めるうえで必要なものは何でしょうか?
たとえば起業や発明は知識がないと始めることはできないでしょうか?
小柴昌俊教授のノーベル賞受賞を支えた企業、浜松ホトニクス社長の晝馬輝夫さんは『「できない」と言わずにやってみろ!』(イースト・プレス刊)で次のように書いています。


【要約原稿ここから】
いつも思うのですが、飛行機を発明しようとした人にあったのは、おそらく理屈でも技術でもなく「空を飛びたい」という夢、情熱だけだったんでしょう。
まわりから「あいつは頭がおかしいんじゃないか」と言われながらも、「鳥のように空を飛びたい」という一心で、実際に翼をつくり、ああでもない、こうでもないとやってみたに違いありません。


今日では、かりに私が「飛行機をつくりたい」などと言いだせば、すぐに、「おまえ、空気力学も構造学も知らないくせに、飛行機なんかつくれるわけがない。学校に行って勉強してこい」と言われるのがオチです。


しかし、空気力学や構造学が生まれたのは、人間が空を飛んだ、ずっと後のことです。
最初に空を飛んだときには、空気力学や構造学といった学問はなかったはずです。


蒸気機関を発明したジェームス・ワットにしても同じです。
よく知られているように彼は、沸騰してフタがパカパカ持ち上がるヤカンを見て、「蒸気というのはパワーがあるんだな」と気づいたといいます。
今ならこれは熱力学などで簡単に説明できますが、ワットはもちろんそんなことは知りませんでした。


自動車の大衆化に成功したヘンリー・フォードにしても同じです。
「ガソリンを燃やせばパワーが出るんじゃないか」という発想がガソリンエンジンを生んだわけで、内燃機関の理論はそれ以降に整備されたものでしょう。


私の知る限り、理論からできあがったものは原子爆弾だけです。
このようにみんな、理屈よりも先にものをつくってしまいました。
人間は元々こうした能力を持っているのです。
学問がなければできないなどというのは、嘘です。
学問など後付けにほかならないのです。
【要約原稿ここまで】


この本は月刊トークス2003年5月号でご紹介しました。

あなたも夢と情熱を持って最初の一歩を踏み出しましょう。
動かないでじっとしているよりも、何かしら動いて次への足がかりをつけましょう。
うまくいかなくても経験というプラスが残ります。


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