「合計するという数字力」が必要


この言葉は『数字で考えると ひとの10倍 仕事が見えてくる』(講談社刊)に出てきた言葉です。
著者は公認会計士・税理士の安本隆晴(やすもと・たかはる)さん。

安本さんはこの本の中で次のように書いています。


あなたが、商品在庫の受け払い担当者だとします。
もしある担当商品の帳簿残高が「マイナス5」になったらどうしますか。
入庫数が違うのか、出荷した数字が間違ったのか、数え間違ったのか、帳簿に書き間違えたのか、
いろいろな可能性があり、調べるのは時間がかかります。


じつは、ミスというものは、連続して起こります。
翌日にはマイナス10になり、三日後にはマイナス12になります。
あとで大問題になってからでは遅いのです。
興味を持ってすぐ調べる、そして、二度と起きないような仕組みをつくることが大事です。


ミスは、取引が漏れたり(不足、つまりマイナス)、
ダブったり(重複、つまりプラス)することによって起こります。
それには「トータルコントロール」、つまり何でも足し算をして合計を出し、
チェックをすることでほとんど防止できます。


「合計くらい誰でもするよ」と思うかもしれません。
しかし、私は公認会計士・税理士として、いろいろな企業を見てきましたが、
さまざまな数字を並べただけで合計のない報告書をつくって平気なビジネスマンにたくさん出会っています。
「合計するという数字力」が必要なのです。


合計してチェックする。
大事な基本的なことはいつもシンプルですね。
あなたは合計してチェックしていますか?


この本は月刊トークス2002年12月号でご紹介しました。

 http://www.talksnet.jp/backnumber_2002.html#200212