「機能」を宣伝しても、ユーザーは関心を示しません


この言葉は『売れる21の法則』(中経出版刊)に出てきた言葉です。
著者はマーケティングプランナーの村山涼一(むらやま・りょういち)さん。
村山さんは次のように書いています。


「物語」でユーザーの興味を喚起し、共感を呼ぶ戦略が増えています。
それが「物語の法則」です。
東京電力では、「オール電化住宅」の広告に、女優の鈴木京香を起用。
第1シリーズのテレビコマーシャルでは、
鈴木が演ずる「同級生の美しいお母様」に憧れる少年という「物語」を軸に、
オール電化」のメリットを説明するという手法をとりました。
複数のバージョンが用意されていて、視聴者には「連続ドラマ」を見るような構成です。


オール電化の中には、空気中の熱を利用して給湯する「エコキュート」という給湯設備があり、
従来の給湯器より30%も省エネが可能です。
一昔前なら技術主導で、その性能やメリットをCMの中で説明するというアプローチだったでしょう。
しかし今や、「機能」を宣伝しても、技術や先進性に対しては、ユーザーは関心を示しません。
「便利」や「快適」を訴えるだけでは、購買に結びつけるのが難しい時代になっています。
まず、「へえ、そんなものがあるのか」と興味を喚起しなければ、なにも始まりません。
そこに「物語」の出番があるのです。


関東以外の方はご存じないコマーシャルかもしれませんが、伝わっていますでしょうか?
機能や用途を説明するのではなく、まずは興味を喚起することが大切。
物語仕立てにするとそれがしやすくなるのですね。
この本は月刊トークス2008年5月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2008.html#200805