一つの発見で立ち止まるな


この言葉は『発想の視点力』(日本実業出版社刊)に出てきた言葉です。
著者はK.I.T.(金沢工業大学虎ノ門大学院主任教授の三谷宏治さんです。
三谷さんは次のように書いています。


理系出身の経営戦略コンサルタントがよく使う表現があります。
それが「ずれてる」「気持ち悪い」です。
いずれも論理構造がおかしな資料を見たときに発する言葉です。
これは論理の空間的把握能力とも言えます。


それを鍛えるための方法論が「JAH(軸値巾)」法です。
軸は属性と言い換えてもいいでしょう。
値は対象物がその属性の中でどういった状態に当たるものかです。
巾はその属性の中で取り得る値のすべてを示します。
たとえば、真っ赤なりんごの軸(属性)の一つは色。
この場合の値は赤。
その巾は黄色から緑までさまざま、というわけです。


まずはモノゴトに潜む本質的属性を「軸」として見出すこと。
それによってはじめて、真実への扉が開かれます。
ただ、気をつけるべきことがあります。
それは、一つの発見で立ち止まるな、ということです。
多くのヒトは、「答え」を見ると安心します。
そこで考えるのをやめてしまいます。
モッタイナイ。その「答え」にはきっとさまざまな「本質」や「真実」が隠れています。
それを探究し、深掘ることで、新しいアイデアにつながり、次の問いへの備えになります。



「一つの発見で立ち止まるな」
難しいことですが、大切なことですね。
この本は月刊トークス2009年11月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2009.html#200911