傾奇者(かぶきもの)戦略


この言葉は『これからは歴史で稼ぎなさい!』(ビジネス社刊)に出てきた言葉です。
著者は歴史マーケッターの渡辺康一さん。
渡辺さんは次のように書いています。


私の会社の名前、一夢庵は、戦国時代に傾奇者(かぶきもの)として知られた
前田慶次を描いた小説に一夢庵風流記というのがあり、その一部から名づけました。
傾奇者とは、異風を好み、派手な身なりをし、常識を逸脱した行動に走る者のことです。
ここから、常識から離れて、全く新しい発想をして、新たな市場を作ってしまおうという戦略を
「傾奇者戦略」と呼びたいと思います。
この傾奇者戦略は、マーケティング用語では「ブルーオーシャン戦略」に非常に近いものです。


競合だらけの中で、競争しなくてもやっていく方法として、歴史ブランディングは非常に有効です。
たとえば、三河武士ブランド。
これは愛知県の三河地方にある食品卸問屋「大岡屋」が作った三河産商品のブランドです。
かりんとうやサイダー、こんにゃくなど、さまざまなものを三河武士ブランドの統一した
パッケージで揃えています。


ただのかりんとう、ただのサイダーでしかないものを三河武士というブランドにするだけで、
まず特徴ある商品として認知度が高まります。
そして、歴史好きの人たちをターゲットにしたら、彼らは他のものは選びません。
そのために価格競争にならず、利益の出る金額で売れるのです。
競合とは全く競合しないものになるのです。



「傾奇者戦略」
見習いたいものですね。
この本は月刊トークス2009年10月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2009.html#200910